生存自活、しませんかー元幹部自衛官が、命を守り、生き残る術をお教えします!

災害、飢饉、石油危機、戦争など。いざという時に自らの生命財産や大事な人を守る為の情報を、元陸自幹部スナイパーが分かりやすく解説いたします!

生存自活の原則

楽観バイアスのコントロール法

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こんにちは!

前回の記事では『楽観バイアス』が日本国民が防災に取り組めない大きな理由になっている、というお話をいたしました。

心理学的な統計では約80%の人は、この『楽観バイアス』バイアスを有しているそうです。

『楽観バイアス』はある意味、人間にとって必要なものです。

『パンドラの箱』の逸話の中では、最後に箱の底には『予兆(希望)』が残されており、次にその箱を開けていしまったら最後、人間は将来の不幸を直視してしまい、自ら命を絶ってしまうといわれています。

この逸話にも示されているように、人は将来の不幸や、自らの死を直視しながら、活動することができないのです。

しかし、一方でデメリットもあります。

不幸、リスクを直視できないということは、その不幸やリスクに備えることができないのです。

防災においては非常に顕著です。

命は基本的に何にも代えがたいものであるはずなのに、どうしても真剣に命に係わるリスクに向き合うことができないのです。

本日は防災に『楽観バイアス』を外すためのコツをお伝えいたします!

これを意識すれば、きっとリスクにしっかり向き合えるようになる、かもしれません。

自分の命を積極的に守れるようになるためにも、是非ともご覧下さい!

楽観バイアスをコントロールするには

woman siting on sofa infront of laptop

まず、『楽観バイアス』は冒頭で言いましたようにメリットもデメリットもあります。

人間には必要な物なので、決して完全になくせばいいわけではなく、バランスよくコントロールできることが望ましいのです。

ですので、今回の『楽観バイアス』を『外す』のではなく、うまく任意に『コントロールできる』ような原則をご紹介いたします!

『楽観バイアス』はコントロールできる

『楽観バイアス』は認識したとしても、外れないということが知られています。

つまり、視覚の錯覚と同じようにそれを理解しても、錯覚が消えるわけではないのです。

対策やルールを策定することによって、ちょうどいいバランスをとる、すなわちコントロールすることが可能なのです!

本日は楽観バイアスをコントロールするコツを3つお伝えいたします!

  1. 他人のこととして考える
  2. 経験が無いことには、バイアスがかかりにくい
  3. 一度体験をしてみる

ひとつずつ解説いたします。

1.他人のこととして考える

『楽観バイアス』は人類が、自分がポジティブに行動できるように身に着けた認知バイアスのひとつです。

その為、『自分以外に対しては働きにくい』という法則があります!

例えば、英国で行われた統計の結果、英国人の4人に3人は 自分たちの家族の将来は明るいと答えました。

しかし、一般的な家庭が 数世代前に比べて豊かになったと答えたのは、たった30%だったそうです。

これは、重要なポイントです。

私たちは『楽観バイアス』によって自分自身ついては楽観的にとらえてしまうのです。

しかし、隣に座っている他人に関してはそこまで『楽観的』ではなく、他人や国の将来についても、どちらかというと悲観的に考えるのです。

この作用をうまく利用するのはどうでしょうか?

自分以外であれば、すごく仲がいい友人や近所の人などが、災害で死なない方法を考えるのです。

多少『楽観バイアス』がかかることがますが、自分の家族でもいいです。

自分の子供や自分の親など、大切な人が災害によって亡くならないように考えるのです。

そうすれば、きっともっと積極的にリスクに向き合うことができるでしょう!

2.経験が無いことには、バイアスがかかりにくい

人は、自分の経験を根拠にして、リスクを軽視しやすいという特徴があります。

例えば、地震を体験したことない人は「30年以内に南海トラフが発生する確率が70%」という情報を受け取っても、「今まで30年生きてきて一回も体験したことが無いから大丈夫」などと考えます。

この場合、30年間無かったことが根拠として『楽観バイアス』を強化してしまうのです。

一度でも大きい地震を体験したことがある人なら、もう少し真剣に考えることができます。

なぜなら、被災する可能性があるということを体験として知っているからです。

では、この法則をうまく『楽観バイアスのコントロール』に使うことはできないのでしょうか?

被災したことが無い年数が短いほうが『楽観バイアス』が強化されにくいのであれば、子どもを使うというのはどうでしょうか?

数年前、香川県三豊市仁尾の小学校は小学生に対して防災教育をしっかりと行いました。

すると、その地域で今まで災害への備えが17%しかできていなかったのに、4か月後には84%の、小学生の子供を持つ家庭が、災害への備えを達成した事例​があります。

子どもは、『経験が少ない』ことから、聞いたことを『楽観バイアス』で楽観せずに、素直に家庭で親などに伝え、親は『自分ではない』子供から聞いたことで『楽観バイアス』がかからずに、災害への備えを実践出来た事例だと思います。

3.一度体験してみる

『楽観バイアス』は経験が無いことで、「必要が無かった」と正当化する心の働きです。

その為、『一度体験してみる』というのも有効な『楽観バイアス』を外す方法です。

とはいえ、地震など、災害を積極的に体験するというのは、なかなか現実的ではありません。

どこで起こるかわからないうえ、地震体験車などもほとんど『楽観バイアス』を外すほどの効果が認められていないようです。

ではどうすればいいでしょうか?

『安全』を一度体験してしまう、という方法があります。

例えば、家の一か所、冷蔵庫だけ転倒防止をしてみるとしましょう。

おそらく、その家に住む人は、冷蔵庫を使うたびに、転倒防止による『安心』というものを体験することになります。

人間は、一度便利になったり、生活に新たな価値が加わった時、また不便な状態や価値の無かった状態の生活には戻れないことが知られています。

今更、洗濯機やテレビ、携帯の無い生活に戻れないのと同じことです。

それと同じように、『安全』という価値を一度生活に取り入れてしまうと、また『安全でない』生活には戻れないのです。

こうして、どんどん災害への備えに興味を持って取り組むことができるのです。

現に、NHKのある実験の調査でも、災害への備えを始めた動機が、「たまたま防災に詳しい人がいてやってみたら、興味を持ち始めた」という人が、かなりいることが分かっています。

防災への『楽観バイアス』を外すには、一度『安全を生活に取り入れてしまう』のです。

まとめ

以上、3つの『楽観バイアスをコントロール』するための方法をお伝えいたしました!

  1. 他人のこととして考える
  2. 経験が無いことには、バイアスがかかりにくい
  3. 一度体験をしてみる

こういった手法を取り入れることで、いざという時に自分や大事な人がなくなったり傷ついたりしないような備えができることを、願っています。

ありがとうございました。

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