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【備蓄食最重要】お米を劣化から防ぐには?

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こんにちは!智行です!

災害での備蓄する食糧の中で最も重要なのは、お米だと思います!

たしかに、乾パンやパスタ、カップ麺などの主食となる保存食は様々にあります。

しかし、日本人にとって、温かくておいしく、心に活力を与えることができるのは、やっぱりご飯でしょう!

ですが、皆さんはお米の正しい保存方法をご存じでしょうか?

というか、

そもそも、お米の賞味期限ってどれくらいだか知っていますか?

お米の袋を見てみると分かりますが、お米には賞味期限や消費期限の記載がありません。

お米は生鮮食材なので、環境や保存の方法によって賞味期限は大きく変わってしまいます。

お米っていつまで食べられるの?

そして、お米はなんで劣化するの?

今回はそんな、お米の賞味期限と劣化の原因について解説していきます!

ぜひ、お米の保存方法に対する正しい知識を身につけて、日常はもちろん、災害時でも美味しいお米を食べましょう!

お米の消費期限は?

皆さんもお米を買う時に、こんなことに気づきませんか?

消費期限が書いていない…

そうです。
お米の袋には「精米年月日」しか書いていないのです!

そもそも、賞味期限や消費期限というのは加工食品に記載しなければいけない、表示義務があります。

対して、キャベツやニンジンなどの農産物に賞味期限が書かれていないように、お米も農産物(生鮮食品)の扱いなため賞味期限の表示義務はありません。

お米も農産物、すなわち生き物です。

ですので、家庭での保存方法はもちろんのこと、季節や気候によっても、賞味期限は変わってしまうのです!

では、お米の賞味期限はどれくらいを目安にすればいいのでしょうか?

あくまでも目安ですが、だいたい次の通りです!

春夏(4~9月)は精米年月日から1ヶ月程度
秋冬(10~3月)は精米年月日から2ヶ月程度

また、気温が30℃を超えるような時期になると、お米はたちまち劣化してしまいます。

おいしく食べるためには、冬場に10キロを1ヶ月前後で食べきっている家庭であれば、暑い時期は5キロを目安にするなど、買いすぎない工夫が重要となるでしょう。

お米の長期保存は可能?

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お米には新米や古米、さらには古々米といった種類が存在しています。

新米というのはその年に取れたお米のことで、前年に取れたお米を古米、前々年にとれたお米を古々米と言います。

そんな数年前のお米を食べて大丈夫なの?と思うかもしれませんが、精米される前のお米はヌカ(糠)に覆われているため糖層がお米の酸化を防いで長期的な保存が可能とされています。

保存状態さえ良ければ数年単位での保存が可能であり、最近では精米前のお米をあえて貯蔵し熟成させることで味を良くするという方法も注目されています。

例えば、東北などの寒い地域における農家では、自分たちで食べるお米は米倉にて1年程度寝かせてから食べることが定番とされてるそうです。

実はこの方法で作られているのが、今注目されている「氷温熟成米」なんです。

生物や植物は、氷点下のような温度では、細胞中の水が凍ってしまわないように、糖分を作ることで「不凍液」のように、水を凍りにくくする作用を持つことが知られています。

特に植物は、種子や芋が凍ってダメになってしまわないように、でんぷんを糖に変えて冬を乗り切っていることが知られています。

これを利用したのが「氷温熟成」という技術です。

氷温で熟成することで、でんぷんを糖に変える働きがあることから、サツマイモや玉ねぎなどでは、わざと寒い冬に熟成させることで、糖度を高めておいしくするようなことがよく行われています。

同じように、低温で熟成された古米は、新米よりも甘みや旨みが増加されるのです。

このように、お米は条件さえ整えれば、長期間保存することができるのです!

お米が劣化する5つの原因

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適切な保存ができれば、数年は保存できるお米ですが、逆に保存状態によっては2,3週間で劣化し、おいしくなくなってしまう可能性があります!

お米が劣化し、賞味期限ができてしまう理由には次の5つです。

  1. 玄米の呼吸
  2. 白米の酸化
  3. 虫の発生
  4. カビの発生
  5. お米の乾燥・におい移り

簡単に解説をいたします!

玄米の呼吸

じつは、玄米は呼吸をします。

呼吸と言っても息を吸ったり吐いたりするわけではなく、お米のでんぷん等の栄養素が空気中の酸素により分解、消費されていく作用をいいます。

玄米が呼吸をすると、どんどん味が悪くなっていきます。

玄米の呼吸は、お米の水分と周囲の気温が、高くなるほど活発になります。

そのため、夏場には急激な品質の劣化が生じてしまうのです。

なお、白米には糠が無いため、呼吸をしません。(ただし酸化という問題があります)。

つまり、水分、気温、そして酸素によって、玄米は少しずつ劣化してしまうのです!

白米の酸化

白米は空気(酸素)に触れていると、酸化してしまいます。

お米の糠の下には、糊粉層という層という層があり、たんぱく質が貯蔵されております。

白米の表面には、その糊粉層の粉(とぎ汁の白濁)が大量に付着しています。

糊粉層は酸素によって劣化(酸化)してしまう性質があり、酸化によって味が劣化したり、独特な臭い(古米臭と呼びます)が生じたりします。

玄米はこの糊粉層が糠で覆われているため、酸化しづらく、また無洗米はこの糊粉層が取り除かれているため、玄米同様酸化しづらいといわれています。

また、白米の酸化は温度が高くなるほど活発になります。

つまり、白米は温度と、酸素(空気)によって劣化していってしまうのです。

虫の発生

お米は状況によって虫が発生してしまいます。

実は、あまり言いたくないのですが、お米に産み付けられている虫の卵が孵化することによって虫が発生しています。

とはいえ、虫の卵が産み付けられているのは、ほとんど糠の部分です。

その為、糠が付いたままの玄米は、特に虫の卵が孵化しやすく、夏場にはすぐに虫が発生してしまいます。

対して白米は、精米で取り除かれることが多く、玄米ほど虫は発生しません。

とはいえ、精米時に糠のに付着した虫の卵が混入することも多く、玄米ほどではないにしろ、 虫の発生のリスクがあります。

その点、無洗米は肌糠を取る作業によって、虫の卵の除去がかなりでき、虫の発生のリスクは少ないといえます。

この虫たちは、気温が15~20度になると孵化を始め、20~25度以上になると活発に活動をします。

春以降になり気温が上がり、室温が15度を超え始めると、突然虫が発生するのはこのためです。

食べても問題はないのですが、心理的に抵抗があります。

つまり、糠に付着した虫の卵、そして15℃以上の温度、活動のための酸素によって虫が湧いてしまうのです。

カビの発生

お米にはカビが発生します。

お米が直接水に触れたり、湿気が多いと特にカビが発生しやすくなります。

また、密閉が出来なかったり、カビの胞子が待っている状態ではより、カビるリスクは高まります。

お米にカビが発生すると、全体的に灰色から黒ずんだような色に変色し、手に取るとなんとなくしっとりとした感じになります。

はっきりと見て分かるほどに変色したお米は、もう食べない方が良いですが、発生直後の頃は気づかないこともありますので、保管状態によっては注意が必要です。

カビの中には発がん性物質を含むものもありますので、長期的には健康に害を生じる可能性がありますので、カビが発生したお米はできるだけ食べないようにした方がいいでしょう。

湿気や水分そしてカビ菌の混入を避けるようにしましょう!

お米の乾燥・におい移り

お米は、乾燥も味が悪くなる原因になります。

乾燥状態のお米を水に入れると割れたり、そのまま炊飯すると弾力がなく食味の悪いご飯になります。

また、お米は臭気が強いものの近くでお米を保存すると、お米ににおいが移ることがあります。

乾燥同様に食味を損ないますので、においがきつい物の近くで保存をしないようにするか、においを通さない密封容器で保存するようにしましょう。

まとめ

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いかがでしたでしょうか?

お米っていつまで食べられるのか?

そして、お米はなんで劣化するの?

という疑問の答えがお分かりいただけたでしょうか?

・お米の消費期限

春夏(4~9月)は精米年月日から1ヶ月程度
秋冬(10~3月)は精米年月日から2ヶ月程度

・お米が劣化する5つの原因

  1. 玄米の呼吸
  2. 白米の酸化
  3. 虫の発生
  4. カビの発生
  5. お米の乾燥・におい移り

つまり、そんなお米を劣化させてしまう理由をつぶせば、いつまでもおいしくお米が食べられ、備蓄としても活用することができるのです!

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