こんにちは。智行です!
強風や地震と共に発生する確率が高い火災!
関東大震災でもそうでしたし、今後来る首都直下地震でも火災で亡くなる人が大きな割合になると予想されています。
古くからある市街地に住んでいる人は特に要注意です!
ですが、火災の時に最も大きい死因ってご存じですか?
実は一酸化炭素中毒が原因で死ぬ割合が最も大きく、8割の人はそれで亡くなっています。
焼死した人も、一酸化炭素中毒で動けなくなったから、火に飲まれてしまううんですね。
では、一酸化炭素中毒にならずに安全に避難するためにはどのようにすればいいんでしょうか?
この記事では、火災の際の正しい非難の方法や持っておけば助かる確率がぐっと上がる商品を紹介いたします。
この記事を読めば、『火災で生き残れる』確率が、なんと5倍になるかもしれません!
死亡要因の80%、一酸化炭素中毒のリスクを除外することができるのですから!
是非とも記事を参考に、いつ巻き込まれるかもしれない火災に備えていただければと思います。
目 次
タオルで一酸化炭素中毒は防げない!
皆さんは参加した避難訓練でどのような火災からの避難方法を教わったでしょうか?
おそらく、避難訓練でタオルを口に当て、低い姿勢で非難すると教わったのではないでしょうか?
私もそう教わりました!
ですが、最近になって火災対策の新常識がしられるようになり、この常識は古くなってきました。
まず、誤解のないように今までの常識『タオルを口に当てて煙を防ぐ』ことによって防げるものから紹介します。
それは、刺激物質(白煙)です。
刺激物質を除くことで、せき込みにくくなり、精神的負担や酸素の消費を減らし、避難をしやすくする効果はあるそうです。
しかし反対に決定的な欠点もありました、それは・・・
『一酸化炭素を防ぐ効果がほとんどない』ということです!
まず、従来の避難訓練等で教えていた内容の根拠としては、おそらく、消防庁が行った次の実験報告でしょう。
煙中の避難時にタオル・ハンカチで口や鼻を覆うことで、煙粒子や刺激性のガスを吸いこむことを低減すると 同時に吸気温度を下げ、生理的な負担の軽減が期待できる。
タオルやハンカチ等の除煙効果に係わる実験結果 消防庁消防研究センター 平成 26 年3月3日
しかしながら、有毒ガス(一酸化炭素)の除去は期待 できないものであるし、当然ながら酸素欠乏に対応できるものではない。
また、時々、『口に当てるタオルを濡らすべきだ』という意見がありますが、
濡らさないほうがいいです!
根拠は消防庁が発報告している次の実験です。
濡れタオルと乾いたタオルの間に大きな差はない
(通気抵抗の観点から)ハンカチ・日本手ぬぐいは、濡らさず使用すること。タオルは、必ずしも、濡らして使用する必要はない。
濡れタオルの除煙効果について 消防庁消防研究センター 1981年
呼吸がしにくく非常に短時間で息苦しさが限界を超える恐れがあるそうです。
また、濡らしに行くために、避難のための時間を使ってしまうので、消防としては、
タオルを濡らすことを全く推奨しておりません!
また、焚火をしたことのある人は分かると思いますが、煙(アルデヒド等の刺激物質)が目に入ると、痛くて涙が出るため、
目を開けているのが困難になります!
ただでさえ、視界の悪い火災現場で、視界が確保できないというのは、安全な非難が困難になり、死に直結します!
つまり、
- 最も死亡率の高い一酸化炭素はタオルでは全く防げない!
- タオルを濡らすと、よけいにに非難が困難になる!
- 目に刺激物質が入り、目を開けて避難できない!
ということが従来の避難方法の欠点でした。
つまり、今までの避難訓練では、一酸化炭素中毒を防ぐ方法は持ち合わせなかったことになります!
ですが、その問題に対する新しい避難方法がいわれるようになりました。
火災避難の新常識とその問題点!
まず、その方法に注目が向くようになったのは、警視庁が行った次のTwitterの投稿です。
現在大ヒットしている防衛省自衛隊協力・公認の『自衛隊防災BOOK2』でも、
火事編で『頭からすっぽりかぶるフードタイプの防煙器具』を使うことを推奨するように記載しています。
このように、警察や自衛隊も公式に効果を期待している
『頭からすっぽりかぶるフードタイプの防煙器具』を使う、というのが最近の新常識なのです!
まず、メリットからお話すると、大きくは3点あります。
- 一酸化炭素の少ない空気を数分間確保し行動できる!
- 煙の中でも、目を開けて避難できる!
- 熱風が顔に直接当たらない!
従来のタオルを口に当てるのと異なり、
一番深刻だった一酸化炭素中毒になるリスクが、袋の中の空気を吸いながら行動することで、数分間無くすことができます。
また、袋の中では目を開けての行動ができるため、より安全に避難することができます。
また、熱風が直接顔に当たらないというのは、パニックやストレスを防ぐ効果が期待できるので、より冷静に避難できることが期待できます!
危険!ポリエチレン製の防煙器具!
とはいえ、最近注目を浴びるようになっただけあって、まだまだ問題点もあります。
市販されている『頭からすっぽりかぶるフードタイプの防煙器具』の大半が、
熱や力に弱すぎるポリエチレンでできているということです!
※ナイロンラミネート(ポリエチレンにナイロンを貼っている)も同様です。
あまり批判はしたく何のですが、生命にかかわるので言ってしまいますが、
このポリエチレンの袋を火災現場で使うとどうなるか?
- 火の粉、火花が当たると一瞬で穴が開く
- 熱風(120℃以下)で溶けて、顔に張り付く
- 火が近くにあると引火する(引火点、約341℃)
- すぐ破ける
まず、火災現場の空気は、300℃にも達します。
ポリエチレン製の防煙器具は間違いなく火災現場で使うと穴が開きます。
普通のポリエチレンやナイロン袋の融点(溶ける温度)はだいたい100℃以下です。
試しに、手元のごみ袋やジップロックの使用温度を確認してもラッテもいいですし、一部の高密度ポリエチレン以外は、袋での湯煎ができないことからも明らかです。
火災時の熱い空気に触れると、すぐに溶けて顔についてしまう事は想像にたやすいです。
95℃以上の温度では、ビニール袋は収縮始めてしまいます。
顔にとけたポリエチレンが張り付きます。
そして、ポリエチレンは火の近くにあると、あっという間に引火してしまいます!
ポリエチレンの引火点(燃える温度)は340℃程度。
身近な燃焼物質(ガソリンの引火点は300℃、プロパン432℃)と比較してもかなり燃えやすいことが分かります。
火災現場の空気は所によって300℃
使用中に溶けて、引火してしまうこともあるでしょう!
そして、素材として弱すぎます。
あなたは、ゴミ出しやスーパーでもらった袋が簡単に穴が開いてしまった経験はありませんか?
基本的に、ちょっと引っかかったりとがった個所があると破ける程度の強度しかありません。
最適な『ポリイミド製防煙器具』とは?
新しい常識として『頭からすっぽりかぶるフードタイプの防煙器具』を 紹介した。
にも関わらず、よく使われている材質、ポリエチレンが使用に不適であることを述べました。
じゃあどうすればいいんだ!?
地方の国立大学で4年、防衛大学の大学院で2年、ポリマー(高分子)の専門家として長年研究を行ってきた経験から述べさせていただきます!
ポリイミド性の防煙袋を使うしかない!
ポリイミドって聞いたことがある人は多分いないでしょう?
ポリイミドは熱硬化樹脂の中で最も耐熱性に優れたプラスチックで、強固な分子構造を持っており、熱だけでなく、機械的性質や化学的性質も他の樹脂にない値を持っています。
超耐熱エンプラと呼ばれることもあります 。
2010年に打ち上げられた『宇宙ヨット』の太陽帆としても使われている素材です!
簡単にまとめると以下のような特徴があります!
- 非常に高い耐熱性(800℃以上にならないと炭化しない)
- 非常に優れた強度(高い温度下でも強度変化が少ない)
- 優れた耐薬性(長期保存で劣化しない)
- フイルム状でオレンジ色の透明
超耐熱エンプラと呼ばれるほど、高い耐熱性で、火の中に飛び込んだとしても、簡単には穴が空いたり、溶けたりする心配はありません。
優れた強度・耐薬性で、長期間の持ち歩きや、繰り返しの使用に十分に耐えることができます!
オレンジ色の透明なので、しっかりと視野を確保することができます!
まさに理想的な素材でしょう!
命を確実に守らなければいけない状況で使うものだけに、ちゃんとその状況で使用できるものでなければいけません。
防煙器具の素材にはポリイミドが最適でしょう!
結 論
本記事では、
・ 従来のタオルで口、鼻を覆う方法では、一酸化炭素中毒を防ぐことができなかった!
・ そこで『頭からすっぽりかぶるフードタイプの防煙器具 』が推奨し始められている!
・ しかし、多くの企業が耐熱性と強度に劣るポリエチレンの防煙器具を扱っている!
・ 最も適切な防煙器具の材質はポリイミド製である!
といった内容でした。
ぜひとも、火災対策の参考にしていただければと思います!
読んでいただきありがとうございました!