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家庭内備蓄編の要点!

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こんにちは!小野智行です!

本日は家庭内備蓄に関してお話いたします!

まず家庭内備蓄の目的は、災害後にライフラインが復旧して、その物資などが手に入るようになるまでの時間、備蓄した物資等によって生き延びられるようにする。ためのものです。

当然じゃないかと思われるかもしれませんが、結構忘れがちなことなのです。

あなたは一体何日間の備蓄をしていますか?

内閣府HPでは、大規模災害発生時には、「1週間分」の備蓄が望ましいと示されています。

ですが…
果たして1週間でライフラインの復旧が完了するのでしょうか?
ライフラインごとの復旧までの日数は、それぞれ変わらないのでしょうか?

実際には1週間分で足りるのでしょうか?

内閣府HPより引用

中央防災会議が報告している首都直下地震において、想定されているライフラインの回復に要する日数は、

電気: 95%の機能が回復するまでの目標日数は7日間。
電話 : 95%の機能が回復するまでの目標日数は14日間。
上下水道:95%の機能が回復するまでの目標日数は30日。
都市ガス:95%の機能が回復するまでの目標日数60日。
道路 : 主要道路の開通には少なくとも1日~2日、一般道はガレキにより、復旧には1カ月以上を要する。
鉄道 : 運転再開には、地下鉄で1週間、JRや私鉄では1カ月程度を要する。

と見積もられています。

東京都防災HPより引用

さらに、南海トラフ地震だとさらに深刻です。

下の図は中央防災会議で、南海トラフ地震に関して予想を立てたものです。

一週間たっても道路、物流は完全にストップしたままで、ガス、水道に関しても3~4割の家庭では復旧が見込めないということが分かります。

これらは、阪神淡路大震災のデータを基に試算されたそうです。

しかし、南海トラフ地震では阪神淡路大震災のデータからの推定が適当でないといっている専門家もいます。

何故なら、多くの範囲で同時に被災するため、ほかの地域からの支援や物資をあまり期待することができません。
その地域が持っている材料や人手で何とか復旧していく必要があるからです。

名古屋大学の福和教授がそういった情報も含めて試算されました。
名古屋でのライフラインの復旧に要する日数は、

電気 : 復旧までは最低2週間を要する。
上下水道 : 復旧まで最低90日を要する。
ガス : 上下水道復旧後に回復が始まる。復旧まで最低90日を要する。

と見積もられています。

災害ごとの詳しいライフラインへの影響は、また後日詳しくお話します。

ですが、私が強調したいのは、

ライフラインが1週間で復旧しない可能性も大いにある!

ライフラインごとに復旧までかかる日数は異なるので、物資等によって備えるべき量は大きく異なる!

ということです。

考えなしに全て1週間で備えていては、いざという時に全く自分の身を守れなくなってしまうのです!

では、家庭内備蓄は一体どれくらい用意すればいいんでしょうか?

答えは簡単です。

一人一人住んでいる地域によって異なります!

・・・めちゃくちゃだと思われましたか?
無責任な答えだと思われましたか?

ですが、一人一人住んでいる場所によってリスクは大きく異なります。
住んでいる人によっても必要となる物は大きく異なります。

私に言わせれば全員もれなく、
「できれば一週間以上を」というほうがよっぽど無責任だと思います。

そもそも、どういった根拠で1週間という数字が示されているかはご存じでしょうか?

私は防災の備えというのは既製品のように決まった形があるようなもののではなく、一人一人に最適な形をまるでオーダーメイドのように作り上げるべきものだと考えています。

いちいち自分で考えるのは面倒くさいかもしれません。
大変かもしれません。

ですが、防災を考えることは、あなたが「生きる」方法をを考えることなのです。

誰かが勝手に考えてくれるものでは決してありません。
どうせ助けてもらえるだろうと他人事のように考えていいものではありません。

ぜひとも、一緒に考えていきましょう。

以上でおしまいです。

本日は家庭内備蓄の目的と、備えるうえでの注意点である『必要な分を見積もって備えるべき』というお話をいたしました。

そのために必要な情報はこれからどんどん出してまいります!

次回は究極の防災グッズとは?というお話をさせていただきます!

読んでいただきまして誠にありがとうございました。

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