こんにちは!小野智行です!
前回は、
生存自活の流れと、都市にある膨大なリスク。
そして、原則やシナリオを使えば対策できる。
というお話をさせていただきました!
今回は、『生存自活の原則』のうちのひとつ!
非常に重要な“3の法則”の話をいたします!
“3の法則”は様々な要因の優先順位を示す原則です!
3の法則は防災の備えをするにおいても、危機的状況に巻き込まれたときに状況判断をするのにも、非常に有用な原則です。
是非とも習得していただければと思います!
それではさっそく3の法則、まず1つ目は
酸素がなくなると3分で死んでしまう
ということです。
人は空気がないと生きていけませんというのは当たり前だろう
ですが、例えば地震などによって火災が発生した場合、最も生存時間を
火災の際に最も恐れるべきは何かお分かりになりますでしょうか?
それは煙に大量に含まれる一酸化炭素による中毒です。
焼死者をみるとその大半はやけどのために死亡したのではなく煙を吸って意識不明になったところを炎に襲われた人が多いのです。
だいたい、火が燃え広がるよりも人が走ったほうが早いわけで、避難できなくなった理由の大半が煙によるものなのです。
一酸化炭素中毒の恐ろしさは表からもわかるようにごく微量の濃度で頭痛やけいれんなどの症状を引き起こし、火災からの避難を妨げ、短期間で死に至ることです。
したがって、火災から避難する場合、煙を吸わないということが最優先事項なのです。
このように見逃しがちですが、3分というタイムリミットの短さから、
最優先に対策すべきは空気なのです!
3の法則の2つ目は
体温の保持できなくなると3時間で死んでしまう
ということです。
遭難などのサバイバル的な状況において最も多い死因は、圧倒的に凍死なのです。
凍死 (低体温症による死亡) と聞くと、冬季や登山などのかなり限定的な状況で起こる死因だと思われるでしょう。
恒温動物である私たち人間は、恒常体温の下限(35℃)を下回ると、低体温症に陥り、身体機能に様々な支障が出たり、多臓器不全に陥ってしまうことが知られています。
そして、生命の回復ができる下限の温度は34℃といわれています。
体の深部の温度がたった数度下がるだけでも致命的であることが分かります。
そのため、例えば、標準的な水温(20~25度程度)のプールに長時間使っていたり、夏でも飲酒や服が濡れているなどの条件によっては凍死するリスクを伴うのです。
日本においての凍死者数は熱中症による死者の数をはるかに上回ります。
凍死は非常に身近な死亡リスクなのです。
3の法則3つ目は、
水が摂取できないと3日で死んでしまう
ということです。
レスキューのタイムリミットは3日間(72時間)といわれています。
レスキューのタイムリミットとは災害などで行方不明者がいる場合、体温の低下が免れていれば、3日以内に救助できれば生存している可能性がある。というものです。
実はこの72時間という時間も、「水なしで生きられる時間」に由来しているのです。
ただし3日というのは「水なしで生きられる時間」であり、水は24時間以内に入手すべきだといわれています。
3の法則の最後、4つ目は、
食事が摂取できないと3週間で死んでしまう
ということです。
3の法則の最後なのはタイムリミットが極端に長く、3週間ほどもあるからです。
実は人は十分な飲み物があれば多くの人が多くの人は体内に蓄えられた脂肪によって数週間は生き延びることができるのです。
サバイバルといえば野草を取ったり、野生動物を捕まえて捌いたりということを想像されると思います。
しかし、実際のところ命を守るために必要なものの中で、食料の優先順位は最後なのです。
実は遭難などでサバイバル的な状況で餓死をするケースは非常に少ないことが知られているのです!
しかし、とはいえ、食料がどうでもいいということではありません!
精神的にも生理的にも非常に恩恵をもたらしてくれることは否めません。
また次々回お話いたしますが、生きる気力などの精神的なものは生存するうえでなくてはならないものなのです!
とはいえ、「食事なしでも3週間は死なない」という知識を持っておくだけでも大きな意味があります。
なぜなら「食べ物がない!」とパニックに陥ることがなくなり、精神的に余裕が生まれるからです。
このように3の原則を知っていれば、優先順位をつけて対処をすることができるのです!
以上で本日は終わりです!
3の原則から
「空気がなければ3分、体温が保持できなければ3時間、水がなければ3日、食料がなければ3週間で命の危険がある。」
ということをお分かりいただけたでしょう。
また、これが
命を守るための優先順位を考えるうえで有用
ということも理解していただければと思います!
では次回は、生存自活の原則である「命の5要素」に関してお話をさせていただきます!
読んでいただきありがとうございました。