こんにちは!
おさらいですが、生き延びるためには必要となる装備は『5C』で覚えることがで切るとお話しました!
- 切るための道具(Cutting tools)
- シェルター関連ギア(Cover elements)
- 火の道具(Combustion devices)
- 容器や調理器具(Containers)
- ひも類(Cordages)
の5つのCですね!
今後何回かにわたって、
目 次
災害に備えるべき『シェルター関連ギア』に関して解説していきます!
まず、シェルター関連ギアとは外界から身を保護するための快適な空間を作るための道具のことです。
つまりテントやタープ、簡易ベッドやベッドマット、ハンモックなど、概ね『寝るための道具』といった感じです!
安全快適に睡眠をとれるということは、サバイバルで重要性が分かりにくいですが、非常に重要な問題です。
短期的に見ると睡眠は栄養の摂取よりも重要です!
ギネス記録を参考にするなら、栄養どころか水を摂取しなかった場合よりも睡眠をとらなかったほうがよっぽど短命になります。
判断力も落ち、精神的な負荷も非常に大きくなります。
さらに、『3の法則』でも述べたように体温を保護できないと3時間で生命の危機が訪れます。
災害時にしろ『サバイバル』という状況では、しっかりとしたシェルターを備えているかが、数日間の行動を可能にするか、それとも生きるか死ぬかという状況で過ごす羽目になるかの明暗を分けることになるのです。
本日は、
睡眠と体温を保護し、生き延びるための装備の考え方を解説いたします!
まず前提として、『シェルター関連ギア』がほかの5Cの装備と異なる特徴があると思います。
① 荷物の中で最も体積や重量を必要とすることが多い
② ロケーション、季節、滞在期間によって必要なシェルターが異なる
という点です。
そして、だからこそ、一人一人が求めるスペックや性質をもった『シェルター関連ギア』を選ぶ必要があると思っています。
最も、個性や嗜好が出る装備ともいえるでしょう。
例えば、災害でイメージするならば、
余震での倒壊で下敷きを避け、または配給や治療、情報を受けるために避難する必要ができたとしましょう。
しかし、避難所では、残念ながらプライバシーの保護が難しく、電気も消せませんので、快適に生活や睡眠をとることは難しいでしょう。
そういった状況に対処するため、熊本地震の際のようにテント村などが設置されており、 大きくて比較的重い『テント』や『ベッド』があれば、快適に避難することができます。
また、他の例として、
災害の後、ライフラインが長期間復興せず、『砂漠化』した都市での生活が困難となったとしましょう。
そうした際には、日本の国土の7割を占める山等に疎開するのが、生存率を高める選択肢の一つだと思っています。
ですが、山や安全な地域に移動するにしても、大きな『シェルター関連ギア』を担いでの行動は安全性や行動を大きく妨げてしまいます。
そういった場面では、小さくて、携行容易な『タープ』や『ハンモック』が役に立つこともあると思います。
このように、状況によって要求が異なる『シェルター関連ギア』を考えるためには、
まずは必要な原則を知って、自分で『装備を考え、揃える』必要があるのですね!
『シェルター関連ギア』に関連する5つの原則!
まずは第1の原則!
『空気の層を作る』!
風が当たると速い速度で温度が奪われます!
温度差のある空気を吹き付けると、多くの量の空気が接触できるので、効率よく熱が移動していきます。
皆さんも熱い料理をふーふー息を吹きかけて冷ましますよね?
ラーメン(80℃)と息(36℃)でも、体温(36℃)と風(10℃)でも触れる空気の量が増えれば早く冷めるのは同じことなのです。
できるだけ、防風性能がいい素材でできた『シェルター関連ギア』を、風に当たらない設置方法、場所で設置することが大切なのです。
そして第2の原則!
『水を絶対に防ぐ』!
濡れると体温と体力は急激に奪われます。
水の熱伝導率は空気の約25倍も高いといわれています。
空気を吹き付けるよりもよっぽど早く熱が奪われます。
ひとつは空気よりよっぽど高い熱伝導率によって、どんどん熱を奪われてしまいます。
風の例では、ラーメンをふーふーする例を出しましたが、料理をする方なら『流水解凍』とかってする方いませんかね?
魚や肉をビニールに密閉し、上から水をかけると非常に短時間で解凍ができるのです!
部屋の温度(25℃)より、水の温度(17℃)のほうが温度が低いのに、冷凍サンマ(-18℃)があっという間に解凍できるのは、25倍の熱伝導率と水道水の流量(触れる量)が影響しているのです。
ちょっと熱の交換に関する雑学的のようになりましたが、まさに同じようなことが起こっているのです。
さらに、蒸発熱で体温で服が乾く際にも熱を奪われてしまいます。
『水を絶対に防ぐ』という気持ちでいたほうがいいと思います。
つぎに第3の原則!
『できるだけ地面には直接触れない』!
登山の分野では、「もし手元に一枚しか布が無かったなら、上に被らず下に敷け」という言葉があります。
一番大きな理由は『底冷え』により、体温が奪われるからです!
シート越しだったとしても、地面は想像以上に接しているだけでどんどん体温を奪われてしまいます。
さらに、地面は意外に多くの水分を含んでおり、ちょっと直接座ったりしようものなら、乾いた衣類は水分をどんどん吸い上げていきます。
凍った地面や、雪が積もっている場合、どんどん溶けてさらに深刻なことになってしまいます。
何よりも、直接寝ると『硬い』ので背中がバキバキになってしまいます。
ついでに言うと、シーズンによっては地面や草に潜むヒルやマダニが簡単に上ってきてしまいます。
そういった理由から、できるだけ野外では地面に触れないほうが賢明です。
シートやロールマットやベッド、折り畳みイスなどで処置しましょう。
さらに第4の原則!
『結露や浸水にも気を付ける』!
第2の原則で述べた水は、雨だけを気を付けていればいいわけではありません。
意外と厄介なのは結露です。
いくら防水性能がよくっても中と外で温度が違えば結露が起きます。
地面の水はけが悪く、テントとシートのつなぎ目から浸水してくることもあるかもしれません。
そうなってしまえば、優れた防水のテントは、まるでバケツのように水を下にため続けるでしょう。
結露をおこさないためには、『中と外の温度差を小さくする』、外と仲の間に『空気の層を用意する』、『湿気を逃がす』などの方法があり、浸水に関しては、『水はけのよい地域を選ぶ』や『テントの周りに排水溝を掘る』などの方法があります。
最後の第5の原則!
『できるだけシンプルで携行容易なもの』!
これは長期間であったり、活動を前提に考えた場合には重要なのですが、できるだけシンプルなもののほうがいいと思います。
理由としては、シンプルなもののほうが、丈夫さやメンテナンスの容易性、携行性や設置の容易さといったものが高まる場合が多いと感じるからです。
例えば、野外で活動する際は、持ち運びが大変では困りますし、設営や撤収、移動にあんまり時間をかけてもいられません。
シンプルな構造であれば、壊れにくく、故障した場合でも代用したり、自作して修理することも容易です。
そういったことから、もし野外活動を前提に『シェルター関連ギア』を選ぶ場合は、シンプルで携行容易なものを選ぶとよいでしょう。
まとめ
いかがでしょうか。
『シェルター関連ギア』選びに関する5つの原則
『空気の層を作る』
『水を絶対に防ぐ』
『できるだけ地面には直接触れない』
『結露や浸水にも気を付ける』
『できるだけシンプルで携行容易なもの』
どれも僕が経験を基に、重視しているポイントです!
ぜひ参考にして、あなたにぴったりの『シェルター関連ギア』を選んでいただければと思います!
次回は、私がおススメする『シェルター関連ギア』をご紹介いたします!
ぜひご覧ください!