こんにちは!小野智行です!
都市が災害で砂漠になる!
って言われてピンとくる方はおられますでしょうか?
都市といえば我々が住んでいる、まさに楽園のような場所です!
食べ物と水は豊富にあり、夜は明るく、冬も暖かく。
野生の動物に襲われるようなこともありません。
自衛官時代に訓練で森や雪山で野営をしていた私は、そのことを非常に痛感しております!(泣)
ですが、災害が発生するとそこは瞬く間に砂漠のような人間にとって生存すら過酷な環境になってしまうといわれているのです。
その時、何が起こるのでしょうか…?
まず、生存自活(サバイバル)の分野では、『生存自活の難易度はその環境によって大きく変わる』ということがよく知られています。
例えば、サバイバルというワードを聞いて想像する熱帯雨林のような森や無人島というのは、生存自活の技能を持っている人にとって、さほど生存の難易度が高くないことが知られています!
なぜなら、命を守るための材料が豊富にあるからです。
例えば、生存に不可欠な”水”は湧き水、小川のろ過、蒸留、植物の汁、朝露など、様々な方法で確保することができるでしょう。
食べ物に関しても、野生の動物や魚を捕まえる技術や、食べられる草の知識があれば入手することができます。
覚悟さえ決めてしまえば、蛇やカエル、昆虫のようなゲテモノだって食べられるのです!
ほかにも、雨風をしのぐシェルターは地形や植物を加工して作れますし、火をおこす燃料となる枯れ木などは辺りに大量に落ちていることでしょう。
人類はもともと森に棲んでいたそうです!
眠っている”野生の力”をフル活用すれば、森で生きていけないはずがないのです!
では、逆にサバイバルをする人たちが最も恐れる環境は?
というと、じつは砂漠が最も過酷な環境だといわれています!
なぜなら、命を守る材料がほとんどないからです!
まず、水を得る方法がほとんどありません。
食料となる動物や植物もほとんどおりません。
朝晩の寒暖差が非常に大きく、シェルターを作る地形や材料、燃料もほとんどないため、体温を保持するが非常に困難です。
このように砂漠でのサバイバルは非常に困難で、偶然飛行機が近くを飛んで気づいてくれるような奇跡が起こらない限り、ほとんど生還者がいないため、サバイバルの専門家の中でも非常に恐れられているのです!
ちょっと少し話が脱線したので、話を戻しますね!
都市が災害で砂漠になる!
という冒頭の言葉の意味は、サバイバルの分野において、
災害などによってインフラが停止した都市は砂漠に次いで過酷だといわれている!
ということを表現しているのです!
まず、インフラが停止した都市には命を守るための材料がほとんどありません!
都市には、食料になるような野生の動物や野草、飲めるような湧き水があることは、
ほとんどありません!
「断水しても、うちの近くには川が流れているから、水は大丈夫でしょ!」
と思う方もいるでしょう。
しかし!そういった川の水は飲まないほうがいい可能性が高いのです!
なぜなら、農薬や溶剤等の有機化合物や重金属などが含まれている可能性があるからです。
上流で農業用水や工業廃水、生活排水が流入している場合があり、災害直後には大量で様々な菌類が土壌等から混入している可能性もあります。
それら化学物質や重金属、塩分は蒸留や煮沸消毒では取り除くことができず、 かなり高性能なフィルターを使わないと飲用にできません。
身を守る場所というのも、火災や倒壊、また危険がある場所や瓦礫で使えない場所なども多くなるため、非常に少なくなってしまうのです。
このように、インフラが停止した都市はまるで砂漠のように生きるための材料が少ないということが、お分かりいただけたと思います。
しかし、「たしかに命を守る材料が少ないのは分かったけど、砂漠に次いで生存が困難っていうのは言い過ぎでしょ!」と思われるかもしれません。
いえいえ、
実はまだ、これ以外にインフラが停止した都市には、生存自活(サバイバル)を行うことが非常に難しいといわれる大きな理由があるのです!
次回は、
都市の生存自活が難しい理由!をお話いたします。