生存自活、しませんかー元幹部自衛官が、命を守り、生き残る術をお教えします!

災害、飢饉、石油危機、戦争など。いざという時に自らの生命財産や大事な人を守る為の情報を、元陸自幹部スナイパーが分かりやすく解説いたします!

生存自活の原則

得る!よりも、守る!!

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こんにちは!小野智行です!

本日は

生存自活における極めて重要な原則

得る!よりも、守る! というお話をします!

いきなり!黄金伝説。 無人島0円生活より引用

さて皆さん、サバイバルといえばどのようなイメージをなされますでしょうか?

『いきなり!黄金伝説。』の『よゐこの無人島0円生活』のように海に潜り、魚をモリで突くような生活でしょうか?

『世界の果てまでイッテQ!』のイモトや『ディスカバリーチャンネル』のベア・グリルスのようにゲテモノを食べる生活でしょうか?

残念ながら実際の生存自活は皆さんの想像に比べて、かなり地味です!

正直、テレビで放送されるサバイバルは映像を華やかにするための演出として、過激なパフォーマンスがなされることが多いです。

なので、多くの方が持っておられる『サバイバル』のイメージはかなり現実と異なっているのです。

まずは食料確保について考えてみましょう。

大前提の原則は、

得られるエネルギーが、得るための消費エネルギーよりも大きくなければいけない!

ということです。
それは野草や果実を集めるときも、動物や野鳥を狩るにしても全く同じです。

例えば、あなたが一日中の山を駆けずり回って、やっと木の実ひとつを見つけたといたしましょう。
この時、あなたの一日のエネルギーの収支は完全にマイナスになってしまいます。
これではせっかく頑張ったのにあなたの寿命を大きく縮めるだけの行動になってしまいます。

例えば、成人男性の基礎代謝は1500Kcal、一日中野山で活動した場合の消費エネルギーは3000Kcalといわれています。
そこから計算すると、バナナで15本以上大きなリンゴでも10個以上は野山で見つけられないとエネルギー的にはじっとしていた時に比べてマイナスになるのです。

当然、野山はスーパーのように栄養価の高いバナナやリンゴのような果実が、大量に陳列されているわけではないので、必要なエネルギーを得るのは非常に困難なのです!

以前お伝えしたように、人間には食べなくても3週間生き延びられるだけのエネルギーがあるので、食べ物を得るのが難しい場合じっとしてエネルギーの消費を抑えているほうがよっぽど生存率が高いといえます。

状況によりますが、積極的に『得る』よりもじっと『守る』ほうが効率的なこともあるのです!

これがさらに採取の難易度が高いヘビや動物、魚を取ろうとしたならばどうでしょうか?

このような生物は素人にとって捕獲が非常に難しいという欠点があります。
多くの場合、これらを捕ろうと思うと、エネルギー収支は大きくマイナスになってしまいます。

川や海に飛び込んでモリで魚を突くなんてもってのほかです!
ウエットスーツを着ていようが、水中での消費エネルギーが、得られるエネルギーよりも格段に少ないので、大きく寿命を減らしてしまうことに繋がるのです!

さらに、多くの生物は加熱すれば食べることができますが、逆に加熱しない場合、寄生虫や微生物により体調を崩すリスクがかなり高いといえます。

大まかに計算しても3000Kcalを得るためには、毎日ウサギ2匹やヘビ6匹、大きめのニジマスでも15匹以上も食べなくてはならないのです。
これは想像しているよりもかなり大変なことなのです!

エネルギーに関して、できるだけ消費しないで簡単に得られる方法を考えなければなりません!

いきなり!黄金伝説。 無人島0円生活より引用

得るよりも守ることを優先するというのは、その他の要素にも言えることです。

たとえば体温にしてもそうです。
体温も『得る』方法と『守る』方法があります。

得るというのは、火に当たったり、温かいものを食べるという方法であり、『守る』というのは雨風をしのげる場所を作ったり、防寒具を着込んだりして熱を奪われるのを防ぐ行為です。

体温を保持できない状況ならば火をおこす行為を考えなければいけませんが、そのためには薪などの燃料とその薪を拾ったり火をおこしたりする労力(エネルギー)が必要になりますし、様々なリスクが伴うということを考えなければなりません。

だからこそ最初に検討すべきは、得ることよりも現在の体温を奪われないための努力なのです!

一見地味かもしれませんが、無人島について真っ先に家を作ろうとする行為は、サバイバル的に言えば理にかなっている。といえるかもしれません!

続いて、水に関してもそうです。

飲料水を作り出すというのは容易ではありません。
かなりの労力が必要となります。

例えば、蒸留を行うために炎天下に汗だくになりながら、穴を掘って容器を置いてビニールを固定するなどの作業をしてしまうどうでしょうか?

穴を掘って蒸留をする方法では、おおむね一日に120cc程度得られるそうです。

対して、運動強度が低い場合に比べて、運動強度が高い場合には一日に1リットルほど多く水分が必要になるそうです。

そうすると多くの場合は消費する水分はマイナスになってしまうので、すなわち寿命を縮める結果につながると予想されます。

消費する水分と得られる水分を考えて飲料水を得る必要があるのです!

テレビで放送されているようなドラマチックで派手な演出というのは、サバイバルの実情とは、かなりかけ離れているのです。

本当に命を守る生存自活(サバイバル)とはもっと地味ものなのです。

現代人である我々は、普段の生活の中で『得る』大変さを忘れがちです。

サバイバルといえば、飲料水を得る。小動物を狩る。火をおこす。 などなど

簡単に『得られる』と思いがちですが、それよりもまずは『守る』ことを意識すべきでしょう!

もちろんそれは都市でも同じく適応されることです!

いたずらに炎天下に走って水分や体力を消耗したり、雨風をしのぐ努力をしないままに火に当たっていても、まったく生存するためには効率が良くないでしょう。

是非とも心がけていただきたい生存自活の原則です!

本日の内容は以上です!

いきなり!黄金伝説。 無人島0円生活より引用

『得る』よりも『守る』大切さは伝わりましたでしょうか?

しかしながら、決して何もせずじっとして生き延びるということを推奨しているわけではありません!

まずは、守りながら行動するコツをつかめばいいのです!
『守る』よりも『得る』ほうが大きい行動を学んで、実行していけばいいのです!

そういった内容を、次回『守りながら行動するコツ!』や、
今後技術編でお伝えしていこうと思います!

読んでいただきましてありがとうございました!

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