「どんな時でもすぐに火を起こせる手段や知識を身に着けていることーそれが、野生環境の中で暮らし、生き延びるための必須条件となる」 モース・コハンスキー(1987年)
こんにちは!
本日から5Cの3つ目!
『火の道具』に関して解説をしていきます!
まず、言うまでもなく火はサバイバルにおいて非常に重要です!
「人だけが火を恐れない動物である」というようなこともあり、先史時代から人間は火から様々な恩恵を得てきました。
例えば、
- 暖を取ることができるので体温を保持することができる
- また、飲料水を得るために蒸留や煮沸消毒もできる
- 食べ物もおいしく安全に食べられる
- 危ない動物も追いはらうこともできる
- 明かりは精神にエネルギーを与えてくれ、救助の目印になる
- 土器や木の加工に使える
火が扱えるということが人間が『生きる』為にどれだけ大切かお分かりいただけるでしょう!
しかし、どんどんと文明が進歩し、火を自由に扱う技術がどんどん高度化していくにつれて、個人が『生の火』を起こし、扱うということが特別なことになってしましました。
もし災害が起こり、文明から切り離されてしまったなら・・・
そんな時に『行き延びる』ために是非とも安全で自由に火を扱える方法を知ってほしいと思います!
まず、『火の道具』の一回目である今回は、
「そもそも火をおこすのに必要なことは?」という原則のお話からさせていただきます!
原則さえ分かれば、様々な状況にも対応できる!
是非ともご覧ください!
目 次
炎の大原則!
ちょっと、クイズです。
火って何ですか?
固体ですか?液体ですか?気体ですか?プラズマ?
どうですか?
普段当たり前に使っている火ですが、それが何なのかといわれるとなかなか答えられないと思いませんか?
固まってないから固体じゃなさそう。濡れたり垂れたりしないから液体でもなさそう。ゆらゆら揺れてるけど、あれは気体?プラズマってそもそも何?
正解に一番近いのは…たぶん気体でしょうか?
まあ、厳密にいうと、そのどれでもありません。
火は気体(燃焼ガス)と酸素の反応に伴う『熱と光』のことです。
逆に気体でなく固体で起こる酸化反応だってあります。
スチールウールの燃焼とか、カイロの発熱とか。
気体(燃焼ガス)の反応というのがキーワードなのです!
さらにお伝えしたいのは、火を燃やすためには『3つの要素』が不可欠だということです。
それこそがファイヤートライアングルなのです!
ファイヤートライアングル
ファイヤートライアングルとは、
- HEAT (熱)
- FUEL (燃料)
- OXYGEN (酸素)
の三つの要素が火の燃焼には必要である。
ということを表しています。
米陸軍サバイバル全書ではこのように記載しています。
「燃料(非ガス化状態)はそのままでは燃えない。燃料は過熱して初めてガスを生じる。このガスが空気と結合して燃えるのである。」
例えば、薪を燃やしたとして、その時には
「マッチの熱で薪の一部が燃焼ガスに分解される」
↓
「燃焼ガスと酸素が熱で反応し、水、二酸化炭素と熱と光が放出される」
↓
「放出された熱でさらに薪の一部が燃焼ガスに分解される」
ということが、繰り返されているのです。
火が揺らめいている状態は、決して薪(固体)が直接燃えている為に起こっているのではないのです。
いきなり化学のようなお話になってしまいましたが、この感覚は非常に重要なのです。
いかに、この3つの要素『ファイヤートライアングル』の全てを満たしてやるかを考えなければいけません。
それが満たせなければ、どんなに燃えやすいものだって火が付きません。
例えば、灯油だって常温ならいくら火のついたマッチを沈めても絶対に引火しません。(引火点(揮発する温度)が40℃なので)
条件が整わなければ、例えガソリンであっても燃えることはないのです!
まとめ
火をおこすためにはファイヤートライアングルの『HEAT 熱』『FUEL 燃料』『OXYGEN 酸素』の要素が必要だということをお分かりいただけたと思います。
今回はかなり化学的なつまらない話になってしまいましたが、
火を起こすためには、うまく『熱』をおこし、うまく『燃料』を気化させ、うまく『酸素』を供給してやるかを考えなくてはなりません。
そういった技術や道具が研究されてきました。
焚火だって化学反応なのです!
次回は『ファイヤートライアングル』の要素を使って、『どうやって火をおこすのか』というお話をさせていただきます!
ぜひご覧ください!