こんにちは!
皆さん『生の火』を熾すのに何が必要かご存じですか?
木と木をこすり合わせるとか、石と火打石をぶつけたり、虫眼鏡で太陽光を集めたり。
火を熾せそうな方法はきっとたくさんご存じだと思います。
ですが、残念ながらそういった方法を知っているだけでは、きっと焚火で温まることはできないでしょう。
なぜなら、『生の火』を熾すためには『ファイヤートライアングル』を原則とする火を熾す方法を知り、ちゃんと条件を整えてあげる必要があるからです。
本日はそんな火を熾す方法に関して解説いたします!
目 次
火を熾すのに必要な物
まず、火を熾すには大きく分けて4種類の物が必要であることを知らなくてはいけません!
『発火具』、『火口(ほくち)』、『焚き付け』、『燃料』
この4つです!
道具の中には、例えば、マッチのように発火具、火口を兼ねてしまうような道具もありますので、必ずしも4種類の物を持つ必要はありません。
『発火具』、『火口』、『焚き付け』、『燃料』の役割が理解できないと、小さな火を大きな燃料を燃え上がらせることができないのです。
本日はその4種類の物に関して解説をいたします!
発火具
まだ火を熾したことのない方が想像する、『火起こし』でイメージされるのは『発火法』だと思います。
木などをこすり合わせたり回転させ、摩擦熱で発火させる『摩擦法』
火打石のように硬い石と鉄片などをぶつけ、火花を飛ばす『打撃法』
レンズやミラーで太陽光を集め高温にする『光学的方法』
圧縮した空気が高温になることを利用した『圧縮法』
マッチのような『化学式』や、電気でジュール熱やスパークを得る『電気式』など
高温を作り出す方法は様々な種類があり、それらをうまく活用できる道具を発火具といいます。
例えば打撃式なら火打石、メタルマッチ。光学的方法ならレンズやミラーなど。
様々な種類がありそれぞれの特徴も異なります。
次回、おすすめの発火法、発火具に関してもご紹介いたします!
火口(ほくち)
『火口』というのは、火花や煙の出ているおがくずなどの熱から最初に着火させる燃料のことを言います。
火花で着火できるほどに燃えやすいものでなければいけず、火口を持参していない場合、野外では終始火口を探しながら歩くことになります。
火口の特徴としては、
- 酸素と反応し易い
- 酸素と接する比表面積が大きい(粉塵の燃焼「粉塵爆発」が知られる)
- 発熱量が大きい(脂など)
- 熱伝導率が小さい(温度が分散放熱しないため、発火温度に上がりやすいため)
- 乾燥度が高い
- 可燃性ガスが発生しやすい
- 周囲の温度が高い
ということが挙げられます。
代表的なものとしては、野外で手に入る物として、枯草、松ぼっくり、おがくず、ススキなどの綿毛などがあります。
携行するならチャークロス(炭化させた布)、ほぐした麻ひも、綿玉、加工したホクチダケなどが代表的でしょう。
例えば、摩擦式で木と木を擦り合わせた際にも、いかに火口となるおがくずを作るか?ということが重要なポイントとなります。
焚き付け
なじみ深い言葉でいうと着火剤になるような燃料のことを指します。
基本的に火口等小さくて燃焼時間が短い燃料で、薪に火をつけることはできません。
大きい燃料であればあるほど、熱が伝わり、構造が壊れて燃焼ガスが発生するまでの間に時間がかかってしまうのです。
そういった大きな燃料に着火するための小さめの燃料こそ『焚き付け』なのです。
焚き付けとして適しているのは、「軟らかくて乾燥しているもの」「油分を含んでいる」ものです。
代表的なのは松葉や松ぼっくり、樹皮、枯れ草・枯れ葉、小枝などです。
割りばしや、硬くねじった新聞紙なども焚き付けとして使えます。
薪や油分を多く含む樹木を削ったり、細かい薪にして焚き付けとして使うのがいいでしょう。
とくに、針葉樹の薪は比較的密度が低いために熱量も低いが加工時に割り易く、着火性が高く燃焼速度も速いため焚きつけ用に向いているのでおすすめです。
燃料
燃料に関してはご存じのとおり、燃やして熱や光を利用するためのものです。
野外で探すなら太い枝や丸太、薪などが燃料でしょう。
薪には広葉樹も針葉樹も利用されます。
広葉樹の薪は比較的密度が高く、ゆっくりと燃え、熱量も大きいのに対して、針葉樹の薪は比較的密度が低いために熱量も低いが加工時に割り易く、着火性が高く燃焼速度も速いという特徴があります。
また、 伐採直後の生木は水分を多く含んでおり、そのままでは燃焼効率が悪く、大量の煤を出してしまうため、薪にする原料の木材は乾燥させたものが望ましいです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
火を熾すために必要な4つの物。
『発火具』、『火口』、『焚き付け』、『燃料』に関してご理解いただけたでしょうか?
いくら手をマメだらけにして、必死で木を擦り合わせても、火口や焚き付けが無いと決して燃料に着火し、温かい夜を過ごすことはできないのです。
また、発火具、火口に関しては割と少量で済むうえ、持っていることで火を熾すための労力は格段に減る為、ぜひとも携行出来るほうが望ましいと考えております!
いかに確実でスマートに火を熾せる手段を持つかが、生存率を格段に上げると考えますので!
次回は、いよいよ私のおすすめする『火の道具』に関して解説をいたします!
ぜひご覧ください!