「装備がシンプルであればあるほど、それを使いこなすスキルレベルのハードルは高くなるのだが、それだけに、目標を達成できた時の喜びも大きくなる」 ホレイスケファート(アウトドア料理術/1910年)
こんにちは!
本日は理想的な『容器や調理器具』の条件をお話いたします!
まず、早速ですが、私が理想的な『容器や調理器具』に求める条件は下の5つです!
- 使いやすさ
- 持ち運びやすさ(収納性・軽量性)
- 丈夫さ(耐久性)
- メンテナンスの容易さ
- 価格
の5つの条件をバランスよく満たす『調理器具』が理想的といえるでしょう!
では、それらの条件に対してどのようなものを選べば、『理想的な調理器具』といえるのでしょうか?
それぞれの条件に対して解説していきます!
ぜひご覧ください!
目 次
使いやすさ
使いやすさといっても、人によっても使いやすいと感じる条件が異なると思います。
ここには私が使いやすいと思う条件を紹介いたします!
ぜひ装備品選びの参考にしてみてください!
調理器具の上に弦(取っ手)がついていること
野外で調理するとき、コンロは決して真っ平らなことばかりではないでしょう。
バーナーや五徳だと平らですが、『生き延びなければならない』状況ではそういったものばかりに頼ってもいられないでしょう。
野外でサバイバルをしているときの調理は『焚火やかまどに直火』、これが前提だと考えましょう。
そして石や木などで組んだ焚火やかまどで平らで安定したコンロを作るのは非常に困難です。
そういった状況で、非常に役立つのが鍋の上に弦(とって)がついていることです。
弦があれば焚火の上から水平に吊るすことができます。火の近さも調整することができます!
貴重な水や食材を丸焦げにしたり、鍋ごとひっくり返さないためには、
鍋(コッヘル、クッカー、メスキット)は是非とも弦がついているものを選ぶ、もしくは弦を自分でつけましょう。
長い取っ手がついていること
これも『弦』と同じ理由です。
調理や煮沸は基本直火!
大概、コンロの火は鍋の底から溢れてしまいます!
そう考えると、フライパン等の取っ手はできるだけ長いか、木などで長くできる構造を選びましょう。
よくアウトドアグッズとして市販されているような、コッヘルやクッカーの短い取っては基本的にガスバーナーしか想定していない構造です。
そんなものを直火にかけたら最後、絶対に火から取り出せないような状態になってしまうでしょう!
出来れば、浅鍋(フライパン)やコップ(キャンティーン)は取っ手の長いものか長くできるものを選ぶようにしましょう。
利用目的に合わせた材質
以前の記事でご紹介したように、材質によってその特性は大きく変わります。
それぞれの材質の熱伝導率は、アルミ(236)、鉄(83.5)、ステンレス(20)、チタン(17)という数字になります!
是非ともその利用用途に合わせた材質の『容器と調理器具』を持つようにしましょう。
まず、鍋(コッヘル、クッカー、メスキット)に適している材質は、『アルミニウム』です。次いで『鉄』です!
焼ムラが健康に直結し、安定した火を作りにくい野外では、調理器具は熱伝導率がいいことが大前提でしょう。
『ステンレス』や『チタン』製の鍋で火の安定しない直火調理をしたら、一部は丸焦げ、一部は生焼けになってしまうでしょう。
続いて、水筒(ボトル)、コップ(マグ、キャンティーン)に適している材質は『ステンレス』、もしくは『チタン』です!
野外においては、水は基本的に煮沸消毒すべきであり、ボトル、キャンテーンも火にかけられる金属製以外ありえません。
しかし、アルミや鉄だと熱伝導率がよく、中に熱いものを入れると持つのがかなり困難になります。
冷え切った体を温めようと、暖かい飲み物を入れたとしてもすぐに冷めてしまいます。
アルミは野外で持ち歩くには柔らかすぎ、鉄だとすぐに錆びてしまいます。
そういった理由から、調理器具はアルミ製!(次点で鉄)、水の容器はステンレスかチタン製を選ぶのがいいでしょう!
持ち運びやすさ
収納性
収納性は『容器や調理器具』の構造に由来する面が大きいでしょう!
入れ子(スタック)できる構造を選ぶと収納性は向上します。
例えば、マトリョーシカのように、一番外側にコンロ台があり、中に鍋が入っていて、ふたがフライパンとして使え、鍋の中蓋が食器として使え、中蓋に燃料が収納されている。とかですね。
収納を考えた形状としては、できれば箱型やマメ(キドニー)型の物の方が望ましいです。
ボンベの形状をスタックさせる目的で円筒型の鍋(コッヘル、クッカー)が多いですが、円筒型のものをカバンに入れると十中八九、隙間ができます。
丸い鍋は一つの長いコンロにいくつも並べようとすると、最も横幅が長くなってしまいます。
例えば、水筒を腰に括り付けて持ち運ぶにも、円筒の一か所だけが接することになり、安定性が無く、装備ずれのリスクも高まります。
そういった理由から、『容器や調理器具』は入れ子(スタック)できる、箱型やマメ(キドニー)型が望ましいでしょう。
軽量性
これは、かなり材質の性質に依存します。
軽さでいえば、軽い金属の『アルミニウム』や、強度があるため軽量化のできる『チタン』が望ましいということになるでしょう!
丈夫さ(耐久性)
丈夫さは材料の性質に依存する部分が大きいでしょう。
丈夫な材料は、鉄(鋳造)>チタン≧ステンレス>アルミという順番になるでしょう。
チタンは材料としては鉄よりも強度があるといわれています。
しかし、チタンは基本的に強度があるからこそ、非常に薄く作られ、そのことによってチタンは軽いといわれているのです。
そして、薄く作られるからこそ強度はステンレスと同等か、それよりほんの少し上という程度でしょう。
また、チタンに関しては、熱伝導率が低いことと、薄く作られることで耐熱性が思ったより低いということも耳にします。
メンテナンスの容易さ
アルミ二ウム、チタン、ステンレスは基本的に錆びない材質です。
(厳密には錆びてる)その為、メンテナンスはかなり容易でしょう。
ただし、鉄に関してはご存じのように錆びてしまいます。
オリーブオイルなどを使って防錆してやらないとすぐに赤さびが浮いてくるでしょう。
また、直火が基本だと考えると、中は焦げ付きが発生し、そこには煤がたっぷり付いてしまうでしょう。
それらは仕方ないことなんですが、テフロン加工やノンスティック加工というものがされていると焦げ取りは楽になるかもしれません。
使ったことが無いですし、直火に耐久出来るのかは知りませんが。
価格
これに関しては製品の作り込みによるところも大きく、一概には言えません。
ですが、基本的には材質によって値段が異なります!
アルミ二ウム>ステンレス>鉄>チタンという順番になるでしょうか?
まあ、目安程度です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
・理想的な『容器や調理器具』の5つの条件
- 使いやすさ
- 持ち運びやすさ(収納性・軽量性)
- 丈夫さ(耐久性)
- メンテナンスの容易さ
- 価格
のバランスが大事なのです。
その中身に関しても、
・使いやすさ
- 調理器具の上に弦(取っ手)がついていること
- 長い取っ手がついていること
- 利用目的に合った材質
・持ち運びやすさ
- 収納性のある、入れ子(スタック)構造の箱型かマメ(キドニー)型
- 軽量なアルミニウム化チタン製
・丈夫さ
- 鉄(鋳造)>チタン≧ステンレス>アルミ の順で丈夫
・メンテナンスの容易さ
- アルミニウム、ステンレス、チタンは錆びない
- テフロン加工、ノンスティック加工というのもある
・価格
- 目安としてアルミ二ウム>ステンレス>鉄>チタン
ということを解説いたしました!
結構たくさんでしたね!
ぜひ、理想的な『容器や調理器具』を探す参考にしていただければと思います!