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命を守る装備

体に合わせて、作りこむ『三種の神器』

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こんにちは!

本日の記事は、 『登山の三種の神器』の3つ目バックパックに関して説明をいたします。

そもそもバックパック(リュック)はそんなに重要性の高い装備なのでしょうか?

「体温を守れないと3時間で生命の危機」とか「歴戦の兵士も足のマメに倒れる」とか言いますので『登山の三種の神器』の他の2つは割と命や活動の可否に関わる装備というイメージがあります。

ですがご存じですか?

リュック(背嚢)は、おそらく自衛隊員がもっとも自分の体に合わせてカスタムしている個人用の自衛隊装備です!(普通科は特に)

もし、重い荷物を担いで行動するような状況になった時、バックパックはきっと想像しているよりもよっぽど重要な装備です。

この記事を読めばバックパックに必要な条件を理解し、最適なリュック選びの役に立つでしょう!

ぜひご覧ください!

隠れた重要装備!

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私の原隊は普通科のとある『歴史ある健脚連隊』の『健脚中隊』に所属しており、ある時期は月1以上で行軍を行っていました。

行軍というと、全身トータルで40~50㎏くらいの装備をつけて、一日30~50km歩くこともざらです。

その経験から一言いうと。

歩ける距離が全然違います。

完歩自体は根性で何とかなってしまうので、もっと厳密に言うと、

しっかりとしたバックパックじゃないと、

歩いている時間の大半が苦行になります。

歩くたびに体の軸がブレて、体力は消耗し続け、背中は汗疹まみれになり、腕はマヒし、肩はなで肩になってしまいます。

現に私はなで肩です。

そうならないためにバックパックを選ぶに重要な原則の中から3つご紹介いたします。

しっかりとしたリュックの選び方が分かれば、インフラが停止したとしても、自分の足で帰宅や避難、疎開などをすることもできるでしょう!

快適なバックパックとは

man sitting looking at mountains

まず、快適に活動できるバックパックの条件を3つ挙げます。

  1. 体の重心・軸が動かない
  2. 体全体で重さを分散させる構造
  3. 接する面の通気性

他にもありますが、バックパックを選ぶにはこの3点を抑えましょう。

容量は入れる装備品や日数によって変えるべきですし、ポケットの数等は好みです。

1.体の重心・軸が動かない

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バックパックは、

  • 平べったい形状
  • 細長い形状
  • トルソー(背面長)を合わす
  • 目的に合った容量

を意識すると、よいでしょう。

といわれても、イメージがわきにくいと思いますので、画像で例を示します。

平べったい形状

「リュック 重心」の画像検索結果

それぞれの体の重心とバックパックの重心(オレンジの●)の関係を比較すると、左の図では体の重心の近くにバックパックの重心が来ているので、体の重心をほとんど変えず運動がしやすいです。

しかし、右の図では体の重心の上からかなり後方低い位置にバックパックの重心があり、運動しようとしても振られてしまい動きにくいです。

つまり、 薄い形状のバックパックの方が普段に近い動きができるのです。

細長い形状

それぞれの体の重心(⊕)とバックパックの重心(オレンジの●)の関係を比較すると、左の図では体の重心の近くにバックパックの重心が来ているので、前に進む際少し前傾になる程度で進めます

しかし、右の図では体の重心の上からかなり後方低い位置にバックパックの重心があり、かなり体を前傾にして重心を前にしないと進むことができません。

つまり、 細長い形状のバックパックの方が楽に前に進めるのです。

市販されている登山バックが細長いのはそういう理由があったのです!

トルソー(背面長)を合わす

多くの人はトルソーという言葉自体、聞きなれないと思いますが、背中の長さを表し、登山のリュックを選ぶのに非常に重要です。

登山のリュックには、容量とは全く別にXS、S、M、Lというサイズがあることがありますが、トルソーの長さでサイズが分かれています。

例えば背面長が短い人なら、XSの60Lのリュックを担ぐでしょうし、背面長が長い人はLの30Lのリュックを担ぐ場合もあるでしょう。

さらに言えば、身長とも無関係ですので長身でもSサイズを担ぐ場合もあるかもしれません。

トルソーは重心の位置や、体への重さの分散させるためのベルトの位置を左右します。

もし登山用のバックパックを購入する場合は自分に合ったトルソーのものを購入しましょう。

目的に合った容量

目的に合った容量のバックパックを選ぶべき理由は、

荷物に対して容量が小さいと溢れた荷物を運ぶ手段が別に必要になりますし、

逆に、荷物に対して容量が大きいと、バックパックの重心が後方に行きやすく、バックパックの中で荷物が動き、移動中体が振られて体力の消耗をしてしまいます。

とはいえ、登山用のザックの場合、横のアジャスタで容量を調整できる場合が多く、できるなら少し大きめのリュックを持っていたほうが汎用性が高いです。

2.体全体で重さを分散させる構造

「リュック せなか 腰で背負う」の画像検索結果

登山用のザックでは、「肩でなく、腰で背負う」ということが非常に重要だといわれることがあります。

重い荷物が入ったザックを肩だけで背負うと十中八九、待っているのは苦行です。

荷物が重くなればなるほど、ヒップベルトが重要になります。

重い荷物を想定しているリュックであればあるほど、そのヒップベルトがクッションで分厚くなっていくという特徴があります。

それだけ、腰で背負うということが重要なのです。

しかし、登山よりも重量の重い荷物を、長時間、長距離を、少ない休みで歩き切る軍隊の行軍では、さらに上のことをしないと、行軍で目的地についた後に戦術行動に移れなくなってしまします。

その方法こそが、全身で背負う、ということなのです。

例えば、チェストベルトを使って胸に重さを乗せるということもよく行われます。

聞いた話ですが、レンジャーなど、少人数で本当に重い荷物を運搬する場合、タンプ・ラインという額、脊椎の力を使ってリュックの重さを分散させる方法が取られる場合もあります。

メキシコの原住民発祥の手法だそうで、腰痛を発症していたとしても、この方法であれば非常に重いものも持つことができるそうです。

Tumpline_diagram

このように、バックパックは肩だけでなく腰、そして胸で重さを分散させるような構造のものを選ぶとよいでしょう。

特に背中当たるクッションの構造で非常に背中や腰に乗せやすい形状のものがあるので、一度背負ってみて、重さが腰に載るかを確かめて購入することをおすすめいたします!

.接する面の通気性

man standing on snow field while taking photo

接する面の通気性は非常に重要です。

背中やひもは最も汗をかく部分で、真冬でも歩いていれば背中と肩がびしょびしょになります。

汗は様々なデメリットがあるため防がなければいけません。

その為背面パネルは、各メーカーがガッシリとしたものから、メッシュ、ネットを使ったもの、いろいろな種類が発売しています。

「剛性をもったまま、いかに通気性を確保するか」と、各メーカーが様々な工夫を凝らしている部分です!

ですので、ひとつは各メーカーのバックパックを担いでみるというのもいいでしょう。

どうしても、剛性と通気性のバランスも好みの領域になってしまいますので。

しかし可能なら、自分でメッシュ等を追加でカスタムしていく方法があります。

この方法であれば、非常に安価で通気性が確保できますし、体に合わせてリュックを作っていくことができます。

100均のメッシュや人工芝など、自衛官がカスタムに使う材料も様々です。

以降、リュックのカスタムに関しても改めてご紹介したいと思います!

体に合わせて、作りこむ『三種の神器』

man standing on mountain

私は、リュックに関して

体に合わせて、作りこむ『三種の神器』

だと考えています。

ただ、荷物を包む袋のようですが、ちゃんと自分に合ったものを使っているか否かで、行動できる距離や消耗する体力も段違いです。

しっかりとしたリュックを選ぶ要点としては以下の通りです!

  1. 体の重心・軸が動かない
  2. 体全体で重さを分散させる構造
  3. 接する面の通気性

細かく解説すると、

1.体の重心・軸を動かさない

  • 平べったい形状
  • 細長い形状
  • トルソー(背面長)を合わす
  • 目的に合った容量

2.体全体で重さを分散させる構造

  • しっかりと体型、トルソーに合ったバックパックを選ぶ
  • 肩で担がずヒップベルト、チェストベルト、タンプライン等で全身で担ぐ

3.接する面の通気性

  • 各メーカーごとのバックパネルからあったものを選ぶ
  • メッシュ等でカスタムする ←おすすめ

ということが、重要です!

ぜひともこの記事を参考に、自分にぴったりのリュックを探してみてください!

ありがとうございました!

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