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災害の知識

265万人の避難所難民に襲い掛かる地獄…

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こんにちは!小野智行です!

前回まで、2回にわたって
・都市は砂漠のように命を守るための材料に乏しい環境である。
・都市ならではの「人」というリスクがある。

というお話しさせていただきました。

しかしとはいえ、それらはなかなか現実感がないのではないのではないでしょうか?
「命を守る材料ったって、スーパーやコンビニで買い占めたりすればいいじゃない?」「とりあえず、避難所に行けば何とかなるでしょ?」
これが多くの人の心の声だと思います。

その感覚は半分正解です!
普段の状態であれば、真っ先に避難所に避難をし、残された食べ物をわけて、生き延びればいいのです!

普段の状態であればですが…

本日は災害時に都市がどのような様相になるか、
首都直下地震の想定を例にしてお話しします。

そこから、都市の砂漠並みに命を守る材料がなくなり
「人」というリスクが跳ね上がる理由がお分かりになるでしょう。

都市のインフラは非常に頑丈そうに思えますが、
災害によっていともたやすく破壊、停止させられることが分かっています。

例えば、東関東大震災の当日には、交通インフラが停止したために、首都圏だけでも約515万人の帰宅難民が発生したという報告があります。
今読んでいる方の中には会社で夜を明かしたり、徒歩で帰宅を余儀なくされた経験を持つ方もいるかもしれません。

では現在、中央防災会議において首都直下地震が発生した際、どのように状態になると想定されているかというお話をします。

もし冬のある日、午後6時頃、東京湾北部を震源とするM7.3の地震が発生したなら…

家屋倒壊や火災によって家を失う等の理由で避難者は 、東京、神奈川、埼玉を中心に発生する最大700万人に上ると想定されています。
そのうちの約240万人の方は親類や知人の家に避難疎開)することが可能です。
ですが、残りの約460万人の方は避難所への避難を余儀なくされます。

では、約460万人(名古屋市の人口の約2倍)が避難できるだけの避難所が整備されているのでしょうか?

答えは全くのNOです!

NHKニュースより引用

想定が出ており特に深刻な東京都23区に絞って話をすると、

被害想定では災害の1日後、23区で約355万人が避難者になります。
そのうち自宅が被災して避難所に向かうのは約231万人です。
一人当たりの避難スペースはこれまでの実績から最低でも畳2畳分(1.65㎡)は必要と分かっています。
東京都の学校等、避難所として利用できるスペース(約326万㎡)から231万人に1.65㎡ずつ (廊下等を考慮せず) 割り当てるとすると、なんと、東京ドーム約12個分(54.65万㎡)のスペースが不足すると予想されています。

東京23区の中だけで、東京ドーム約12個分の避難所スペースが不足するということは、約32万人が避難所にすら入れない避難所難民になる可能性があるのです。

ですが、問題はそれだけで終わりません。

帰宅困難者という大きな問題が残っているのです!

東京の昼間の人口は約1,500万人
現在の想定では最大800万人帰宅難民が発生するという想定が出ているのです。

東京都の被害想定によれば23区内での帰宅困難者は約345万人にも上ります。

このうち32.5%は「何としてでも自宅に帰ろうと努力する」と想定されています。

これ以外の67.5% の帰宅困難者が避難所に向かうとしましょう。

そうするとなんと、約233万人帰宅困難者が避難所に向かうことになるのです。

しかしながら、先ほども書きましたように、23区内で家がなくなって避難する避難者32万人がそもそも避難所にも入れていない状況にあります。

そもそも、避難所は原則その地域で住まいを失った人などのために開設されるのですから、帰宅困難者のための避難所はありません。

避難所に入れない避難者約32万人帰宅難民約233万人を足し合わせると、約265万人です。

約265万人が避難所にも入れない、避難所難民になってしまう!

ということが想定されているのです。

首都直下地震の東京23区の想定を通じて、いかに大量の避難場所すらない避難所難民が発生するか、お分かりいただけると思います。

これは決して首都直下地震だけの問題ではありません
以降、別の回で説明いたしますが、これは決して大げさな数ではありません

想像してください。
突如として瓦礫が散乱暖を取ることもできない暗闇の中、雨風をしのぐこともできず、空腹で夜を過ごさなければならないとしたら。
避難所にも行けない人達は道路上にあふれ、店舗は商品が散乱し、安否確認も取れず。

そんな極限とも言える状態になった時、人は自らの生命を守るため、または人心が乱れたために強奪等の犯罪や、暴動や性犯罪等に手を染めるということが分かっています!

極限の状態に追い込まれたときこそ、「人」大きなリスクにもなりうるのです。

そして、砂漠に次いで困難といわれる都市型サバイバル本当の怖さが分かるのです。

災害時に都市がどのような様相になるか、
首都直下地震の想定を例にしてお話ししました!

また、

大量の「人」突如極限の状態に追い込まれることで、大きなリスクへと変化する!

ということも想像できたと思います!

また、過去3回を通じて伝えたかったメッセージとしては、

都市での生存自活はとても難しいこと
避難所に入れないリスクがある。

ということだけではなく、

物資がない中でも生き抜く能力が必要となる。

かもしれない!ということを心に留めておいていただければと思います!

ここまで読んでいただきましてありがとうございました!

次回はいよいよ都市での生存自活の流れに関してご説明したいと思います!

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