生存自活、しませんかー元幹部自衛官が、命を守り、生き残る術をお教えします!

災害、飢饉、石油危機、戦争など。いざという時に自らの生命財産や大事な人を守る為の情報を、元陸自幹部スナイパーが分かりやすく解説いたします!

生存自活の原則

非常に重要なS・T・O・Pとは?

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こんにちは!小野智行です!

本日は前回予告したように、パニックを起こさず生き延びる方法のお話です!

先にお伝えいたしますが、

本日する話はとても重要です!

現に自衛隊米軍警察におけるレンジャーや要人警護などの特殊な任務にあたる方は、普通に使われる技術のようです。

私もレンジャーのような状況判断が求められる訓練の際に教育を受け、習得したと記憶していますし、パニックにならず、しっかりと命を守るためには絶対に習得されるべき技術でしょう。

生き延びるための原則に関して述べている書籍や講習では真っ先に語られることが多い内容です!

本日は緊急時に真っ先にするべきとされている“S・T・O・P” をお伝えします!

第1段階、Stop(体を止める)

体を動かすことは避けて、できれば座りましょう。

人間は危機に襲われると反射的に何の考えもなく行動に移ったり、目的もなく走り出してしまうことがあります。

しかしながらそれは非常に危険です。

大地震の場合であれば、落下物が降ってきたり、瓦礫やガラスが散乱しているかもしれません。

そんな状況で行動してしまった場合、多くの場合けがを負うことにつながります!

また以降の回でお話いたしますが、災害医療を考えると『怪我をすることは死ぬこと』だと思ったほうがいいくらいでしょう。

危機に襲われた際、パニックに陥らずに、突発的に動きそうな体を『ストップ』し、冷静に判断することこそ重要なのです!

余談ですが、危機が発生した時にStopするためにはカウンターパニックを利用するのがよいとしている専門家もいます。

『カウンターパニック』とは、危機が発生した瞬間に、『ヘビに睨まれたカエル』のように体が固まって動かなくなる状態になることです。
震災の体験者の多くも地震発生時に動くことができなかった人も多いと聞きます。

しかしながら、これは自然に体に備わっている力と捉えることもできます。

先ほども述べましたように、危機が発生した時に咄嗟に考えもなく行動をしたほうがよっぽど生存率は低下します。

さらに、体が固まった状態で無理に動こうとすれば、急激に消耗し、結果的に死亡のリスクは高まるのです。

危機が発生時は『カウンターストップ』も利用しながら、まずは体の動きを止めていただきたいです!

第2段階、Think(頭を落ち着かせる)

『Think』とは直訳すると『考える』となってしまいますが、ここで求められるのは『頭を落ち着かせる』ことです。

第1段階の『Stop』咄嗟の体の動き止めるなら、第2段階の『Think』頭のパニック止める工程です。

できれば座って呼吸を整え、心拍数を下げましょう。

数字を3つ数えながら鼻から息を吸いそのまま3つ数えて、また3つ数えながら鼻あるいは口から息を吐きだす
という呼吸法を行うことをお勧めします!

この呼吸法は呼吸を落ち着かせ、脳にリラックスするように信号を送ることができます。

この呼吸法は戦場でもよくつかわれる呼吸法で、私がスナイパーをしていた頃も照準を合わせるためによく活用していた技術でもあります。

呼吸を整え、呼吸が遅くなっていると、認知する機能が向上します。

落ち着いたら置かれている状況を見つめどう対処できるかを考えられるようになります。

第3段階、『Observe』(観察をする)

落ち着いた心身で今置かれている状況を観察、把握するということです。

より正確に表現すると『Stop』、『Think』がしっかりと行えて初めて、『Observe』(観察する)という工程が行えるというのが正しいでしょう!

  • 今、何が起こっているのか?
  • 危険なものはどこに存在しているのか?周囲の地形は?
  • 仲間の状態は?怪我はしているのか?
  • 現状何を持っていて、何が足らないのか?

こういったことを観察、分析しなければならないのです!

『Observe』をするうえで役に立つ、『ワイドアングルビジョン』をお伝えいたしましょう!

『ワイドアングルビジョン』(広範囲視野)とは全体の情報を収集する手法であり、五感を豊かに働かせるコツでもあります。

よく言われるやり方は、目の焦点を合わせず、視野全体をぼーっと見る要領です。

そうすることによって、普段『視覚に引っ張られていた』様々な感覚が、ワイドアングルビジョンでとらえている範囲全体から情報を収集できるようになるのです。

要するに、五感を活用して情報を広い範囲から感じ取れる技術なのです。

自衛隊では警戒や安全化、射撃などの際に『周辺視野を使う』などの表現でよく使われますし、剣道や銃剣道などの武道の世界においても全体を見る視野は非常に重要でな技術でした。

ネイティブアメリカンの教えでは、野生動物もワイドアングルビジョンや注目する様な視野(トンネルビジョン)を使い分けているそうです。

皆様も是非とも普段から使い、鍛えてみてはいかがでしょうか?

最後は第四段階、『Plan』(計画する)

最後の工程は『Plan』(計画する)ことです。

一部の専門家の中にはこの後に『Act』(行動する)とつける方もおられますが、基本的にPlanの中にActが含まれ、計画後は行動するととらえてもらえればと思います!

状況を把握したら、最も効率的な戦略を立て始めます。

また、必要に応じ計画を修正することを恐れてはいけません。
状況に応じて臨機応変に対応する必要があるのです!

さらに、このPlanまでの流れ非常に迅速なものでなくてはなりません!

阪神淡路大震災の際には14分以内に神戸の92%の方は亡くなっていたといわれます。

生死を分ける5分間という言い方もありますし、自衛隊の状況対処や警察の警護の世界では、危機に対しての行動は7秒といわれています。

このPlanまでの流れは数秒や数分以内に終わらせ、動き出せることが好ましいです。

まずは命を守れる行動までを!

とはいえ、いきなり瞬時に計画づくりなんてとてもじゃないけど難しいですよね?

ここで威力を発揮するのが、事前準備なのです!

日ごろから災害に備えて、しっかりとしたイメージができていればできているほど、すばやく、適切なPlanがその場でたてられて行動に移れる可能性が高まるのです!

今後の回では、どのような事前準備や、イメージの仕方ができるのかというお話をさせていただこうと思います!

次回は、生存自活で命を守る原則
得る!よりも、守る!というお話をします!

読んでいただきましてありがとうございます!

-生存自活の原則

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