生存自活、しませんかー元幹部自衛官が、命を守り、生き残る術をお教えします!

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災害の知識

都市の生存自活が難しい理由!

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こんにちは!小野智行です!

前回の記事では、災害後の都市には、命を守る材料がほとんどないため砂漠に次いで生存自活(サバイバル)が困難だというお話をしました!

ですが、まだまだそれだけではありません!

サバイバルの専門家が揃って恐れる、『都市ならではのリスク』とは一体何なのでしょうか?

アイ・アム・レジェンドより引用

私はサバイバルに対する関心が高い国といえばアメリカが真っ先に思い浮かびます。

ロスト、ウォーキングデッド、 THE 100なんかのアメリカ発の海外ドラマも大ヒットしていますし、
オデッセイやライフオブパイ、 レヴェナントみたいなサバイバルが含まれる映画もたくさんあります!
私個人的なイメージだとアメリカはゾンビ大好き国というイメージがあります。

現にアメリカのシェルター普及率は82%と世界的に見てもトップクラスですし、
プレッパー(prepper)と呼ばれる、あらゆる危機に備える人達の文化、産業も存在しています。

このように国民の有事に対する危機管理意識、サバイバルへの興味関心の高いアメリカには、危機管理の専門家が多くいます。
そして、彼らが本当に深刻な状況に陥った場合に、口をそろえて重視すべきだとしているのが、

人目を避けること」なのです。

自然にはない都市ならではのリスク
それはなのです。

ウォーキング・デッドより引用

日本人にはピンとこない方も多いでしょうが、災害後の都市では、

暴徒化した他人から身を守ることが非常に重要になるのです。

深刻な状況が長く続くと暴徒化する人が現れることは、専門家の間では半ば常識になっています。

なにもこれは決して銃社会のアメリカに限った話ではありません。
礼儀正しく秩序を重んじるとされている日本人でも、極限状況では容易に暴徒や犯罪に走りうるのです。

例えば、窃盗に関して言えば想像しやすいでしょう。

2011年、東日本大震災が起こった直後、人が減った街を狙った空き巣や店舗、ATM荒らしが頻発したことをメディアも報じています。

宮城県仙台市の新聞社、河北新報によれば震災発生から3月26日までの約2週間の間に約290件窃盗被害届の届け出があったそうです。(宮城県警発表に基づく)

これは東日本大震災に限った話ではありません。
他の災害時においても似た事例が報告されています。

さらに注意してほしいのが、これは氷山の一角であるということです。
届けられなかった被害も大量にあるでしょうし、盗難以外の犯罪も横行していたでしょう。

さらに私が危惧する問題は、『性犯罪』です。

後ほどにも書きますが、基本的に災害時の犯罪は表面化しづらいという特徴があります。
中でも、強姦のような性犯罪というのは非常に届け出にくい犯罪であります。

強姦以外にも様々な性的犯罪が発生したそうです。

例えば
・自衛官や警察、消防、ボランティアなどを装い、わいせつな見返りを求める。
・避難所での覗きや盗撮
等が横行したと聞いています。

そもそも、災害時においてプライバシーというのは非常に希薄になってしまうということを留意しなければいけません。

避難所でさえ、授乳や着替えをするための専用のスペースが取れないこともあるでしょう。
避難スペースもしっかりとしたパーテーションを用意できる避難所のほうがよっぽど少なく、避難中はお互いの生活が丸見えになってしまいます。
トイレもマンホールトイレなど野外で行うこともあり、安全性やプライバシーが確保ができない場合もあります。
車等で野外で避難する場合も同じく、プライバシーの保護や安全性の確保で大きな問題が発生します。

そういった状況では、中には劣情を催してしまい、極限の状況にフラストレーションがたまり、自暴自棄になって性犯罪に手を出してしまう人が少なからずいるのだ、ということに気づいていただければと思います。

窃盗等の犯罪も含め、犯罪に走ってしまった方に同情をするわけでも擁護するわけではありませんが、そういった方の中には家や職場、財産を失った方や、中には家族を亡くされた方もいるかもしれません。
様々なものを失った喪失感や、今後への大きな不安等から自暴自棄になり、何とか生き延びよう、大事なものを守ろうと窃盗などの犯罪に手を伸ばしてしまったとしら、その心理は全く想像できないものではありません。

今は倫理や秩序に基づく正常な判断ができていたとしても、極限状態になってみれば、その時、自分も含めて人がどういう判断に至るかわからないのですから。

皆さんは、「人」大きなリスクになりうるということに留意いただければと思います。

以上は実際に様々な災害派遣に出動した隊員災害で被災した方などから聞いた話等ですが、今回お話したのは、ほんのは氷山の一角です。
文中でも述べましたが基本的に災害時の犯罪は表面化しづらいという特徴があります。
私の知らない情報のほうが多いですし、届けられなかった被害も大量にあるでしょう。
「犯罪で自暴自棄になっちゃっただけだから」と無かったことにされるとこもあるでしょう。

本日お話しした内容、以外にも詳しく述べていない、デマ詐欺などの被害やリスクもたくさん報告されています。

メディアは被災者や全国の人を元気づけるために、日本人の治安のよさ、礼儀正しさばかりをピックアップする風潮にあります。

それは非常に理解できますが、逆に以降に発生する災害に対するイメージ力危機意識を下げる要因ともなると考えます。

災害の教訓から、災害の様相をイメージをし、発生するリスクを見積り、対策を立案するという本当にしなければならない防災対策を行う上で、これはある種の障害ともなり得ると考えています。

すみません。
ちょくちょく脱線いたしましたが、本日は以上です!

都市ならではの「人」がどういうリスクになるのかをご理解いただけたと思います。

今回は特に不安をあおるような内容になってしまい不安や不快にさせてしまったかもしれません。すみません!
ですが、

リスクを想像できない限り対策できません!
あなたが命を守るために、不都合な真実から決して目をそらさず考えていただければと思います。

読んでいただきまして誠にありがとうございました!
今回は『人』というリスクに関してお話ししましたが、

災害時というのはこういったリスクがある事情によって非常に跳ね上がることが予想されています!

次回は何故そういったリスクが跳ね上がるのかというお話をさせていただきます!

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