こんにちは!小野智行です!
前回は得るよりも守ることを意識したほうが、生存自活をするうえで有利に働くことが多い
というお話をさせていただきました。
とはいえ、守るだけではどんどんと体温もエネルギーも、水分も失われてしまうでしょう。
ジリ貧になってしまいます!
今回お伝えするのは、守りながら行動するコツの話であります!
サバイバルとはドラマチックで派手、豪快なイメージがありますが、 本当に命を守る生存自活(サバイバル)とはもっと地味なものなのです!と前回お伝えいたしました!
まさにそのサバイバルの地味さは実は行動にも適応されるのです!
とにかくゆっくりと動くことを心掛ける!
そして、ゆっくり考えることを心掛ける!
このことが特に都市での生存自活を考えたときに重要な原則です!
こんなにシンプルな原則ですが、実は様々な理由があります!
まず第一に安全のためです!
当たり前なことを大げさに言っているように思われるかもしれませんが、生存を考えるうえで非常に重要なことなんです!
まず、都市での災害を想定すると、自販機やブロック塀など様々なものが転倒したり、ガラスや瓦、コンクリート片などが破損して地面に散らばっていることが想定されます。
うかつに歩くと非常に転倒や切り傷、くぎを踏み抜くなんてこともあり得ますよね?
生存自活において、『ケガ』イコール『死』だと思うくらいの心構えを持つべきなのです!
これは決して大げさな表現ではありません。
地震や津波、水害、土砂災害などが起こった場合、辺りには様々な土壌菌が舞い上がっている可能性があります、過酷な環境変化により体力も落ちやすくなってしまいます。
その時、破傷風やガス壊疽などのリスクがあり、下手すれば死ぬことすらありうるのです。
普通であればそれらの病気は早急な処置ができれば対処できる病気です。
現在それらで亡くなる人は昔に比べほとんどいません。
普段病院に行けば、切り傷や刺し傷なんてすぐに処置してくれて、消毒や縫合、抗生物質や化膿止めなんかをもらえるかもしれません。
しかし想定しているのは、緊急時だということを忘れてはいけません。
今後、災害時医療体制に関しても詳しくお伝えいたしますが、トリアージといって基本的に命の別状にない怪我等は処置は後回しにされます。
なぜなら、災害時に大量のけが人が発生した時に、限りある病室、ただでさえ様々に割かれる人手、流通が止まり残った医薬品で、できるだけ多くの人を助けるためには、優先順位をつけて処置をする必要があるからです。
出血が止まらないような深い傷でない限り、いくらかかりつけの病院に行ってもすぐには処置をしてもらえないことが多いでしょう。
そういった理由から、『ケガ』イコール『死』の心構えで安全に気を配って行動する必要があるのです。
もう一つの理由は、様々な情報を収集するためためです。
これは以前S・T・O・Pの回に説明したワイドアングルビジョンと同等の理由です。
冷静に様々な感覚を使って情報を収集しながら判断・行動するべきだからです。
人間は情報の大部分を視覚情報に頼って行動するといいます。
そのため、その他の感覚器官で得られた情報も、視覚情報に引っ張られることも多いです。
さらに、緊急事態においてパニック状態になっていると思い込みで行動しがちになってしまいます。
最初に状況を決めつけ、その考えに当てはまる情報のみを無意識に集めてしまうのです。
そういった状況では必要な情報を十分に入手することができず、非常に危険なのです!
例えば災害に被災したとしても、
聴覚が使えれば、液体が漏れ出す音や人の声に気づくことができるかもしれません。
嗅覚が使えれば、燃料のような異臭やほこりっぽい匂いに気が付くかもしれません。
皮膚で放射熱や湿度を感じられれば、近くの火災や、今後来る雨に気づけるかもしれません。
ゆっくり動くことで様々な感覚器官を活用し、情報を収集することができて初めて、様々な状況判断ができるのです。
実はまだまだゆっくり動くことで得られる利点はあります。
以前紹介した『ウッズショック』などのパニックを防ぐこともできます。
前回お話したように、できるだけ体力、水分等の無駄な消耗を減らすこともできます。
とにかくゆっくりと動くことを心掛ける!
そして、ゆっくり考えることを心掛ける!
避難訓練でも『押さない・走らない・喋らない・戻らない』といいますが、生存自活においても基本の行動方法なのです。
是非とも災害時には心がけて行動してください!
さて、今回まで6回ほどにわたって行動に関する原則をお伝えしてきました!
まだまだ紹介していない行動に関する原則というのもあるのですが、そろそろよく興味を持って聞かれることの多い、
防災グッズに関する原則をお伝えしていこうと思います!
巷にはさまざまな防災グッズがあるけどどういうものを用意すればいいの?
という疑問に対する参考になればと思います!
次回は、生存自活と防災グッズの理想!をお話いたします!
読んでいただきましてありがとうございました!